自分の作品とは
モノづくり、創作において「自分の作品」を生み出すというのは、正直とても難しいことに思えます。ものを作ること、創作することが習慣になってくると、その分色んな作家の作品に触れる機会が増え、知らない間に作品に何らかの影響を受けてしまうと思うのです。
モノづくりなので、音楽や、絵、造形、生み出すものは何でも・・・そうなのではないでしょうか。
私自身、今ではミニチュアを作っていますが、学生時代はとにかく絵を描くことが好きで、自分のお気に入りの作家の作品や画風を真似ては色々描いていた時期がありました。
今でこそ、それも学習する上ではとても大切なことと思います。真似ることで得られる技術や、モノの捉え方があるからです。
しかし、芸術の世界では如何に技術の壁を破り、自分の味や表現を出せるか、それが全てであると思っています。ましてやプロであるならば、誰かの真似では到底生きていけないからです。
答やお手本がないからこそ、とても難しいことだと感じます。
先日、「ピアノの森」という漫画が原作の作品を拝見し、改めてこの大切さを感じました。
ストーリーの中で「自分の音を出す」というのがキーワードになっており、技術だけでは習得することが出来ない厳しさもありますが、自分を表現する最上の喜びも合わせて感じられる良い作品でした。
自分らしさを作品で表現するというのは、実は自分よりも他人から見た方が分かりやすいのではと思います。自らの視点だけでは、モノの見方や視野の範囲によって見えづらい部分や思い込みが邪魔して、客観的に捉えられないからです。
だからこそ、作品に対する感想は良いものも悪いものも素直に受け取らなければ・・と思うのですが、これがまた難しいんですよね(笑)
私自身、今では絵を描くことの代わりに、粘土をこねることが多くなり、日々模索しています。
正直に言えば、いつの瞬間でも作品作りで満足することはありません。ミニチュアづくりを始めてから、気が付くと作りたいものを次から次へと思い浮かべては、手を動かしています。そして、素晴らしい作家の方々の作品を眺め、思い描く作品の形に常に憧れを抱いています。その気持ちが継続した創作活動を続けている活力になっているのです。
たまにこうして立ち止まって考えたくなるので、書き留めました。
HARU
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